立教うんちく話
第53回『カール・ブランスタッド教授」
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カール・ブランスタッド教授
以前このコーナーで取り上げた(第16回にて)アメフトを日本に紹介したポール・ラッシュ氏と同時代に立教大学教授として大学に貢献した人物にカール・ブランスタッドという方がいます。
彼は、ネブラスカ大学を卒業後、米国聖公会から立教大学の文学部教授として派遣されポール・ラッシュ教授より先に赴任していました。
カール・ブランスタッドは、音楽と英文学、そして学生たちとの付き合いをこよなく愛した人物であったといいます。
とくに音楽に関しては単なる愛好家ではなく、教会音楽に関心を持ち、チャペルに聖歌隊を組織しました。
指揮者として、そしてパイプオルガニストとして聖歌隊を指導。
彼のお陰で、立教の聖歌隊は、日本においてトップクラスに達しました。
また、音楽的なものを育てる意味と英語の訓練を兼ね、聖歌隊のメンバーを中心に、ギルバート・サリバン・オペラ(イギリスの古い歌劇)を上演し、大好評を博したといいます。
また、ポール・ラッシュとブランスタッドが居住していた「5番館」では、昼夜を問わない学生との様々な交流がありました。
クラブ活動の打ちあわせ、ポールの講義、ブランスタッドが教える音楽部員の練習、英会話の個人レッスン、お茶やお酒を飲みながら時事問題の討議等と、彼らは異国の若き学生たちと付き合いました。
教室外で学問や音楽のことが話せる場所、そういう場を設けた彼は、戦後の立教の大事なものを打ち立ててくれた人物だといえます。
立教大学になくてはならないのがクリスマス行事。
その中でもメインとなるのが大晩?と「メサイア演奏会」です。
この行事が始められたのも、ブランスタッド氏の力によるところが大きかったとも伝えられています。
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「ブランスタッド教授を囲んで」
校宅にはつねに教職員・学生が集まって懇談の時間をもちました。
前列左から2人目がカール・ブランスタッド教授。
その右はポール・ラッシュ教授。