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立教うんちく話

第72回 聖卓の掛布 ~色の意味~

2010年は、本学創立者チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が逝去されて100年の年にあたります。 今年も逝去日にあたる12月2日、池袋キャンパスのチャペルにてウィリアムズ主教の記念礼拝が行われ、学院や系列学校の関係者が参加しました。

みなさんも在学中の各種行事、礼拝、卒業してからの校友の集いなど、何度かチャペルに足を運ばれたことがあるかと思います。 その際、みなさんは聖卓にかけられている掛布の色に気がつかれたことはありますか?
実は、掛布の色は時期や祝日(記念日)によって変わります。式典のときにチャプレンが身につけるストールも同様です。
また、色にはそれぞれ意味があり、今回は掛布の色についてのうんちくを紹介いたします。

教会暦と5色の掛布

キリスト教会の生活は、一般の暦とは違う「教会暦 church calendar」に従って営まれます。
教会暦は、毎年クリスマス(12月25日)の4週間前の日曜日、降臨節(アドベント)から始まります。 そして一般の暦が春夏秋冬に分けられるように、教会暦もいくつかの期節(season)に分けられ、その期節を表わす色(典礼色)が定められています。

聖卓の掛布は、その典礼色にならい緑、赤、白、紫、黒の5色があります。
通常は、「緑」が使われ、クリスマスとイースターに「白」、その準備期間に「紫」が、聖霊降臨日(ペンテコステ)と 聖人の記念日に「赤」が使われています。

命、成長、永遠を表します。通常の期間は、緑が用いられます。



中央の模様は、ぶどう、パン、杯、麦の穂
それぞれ教会でよく用いられるシンボルが描かれています

赤は血の色。教会では殉教者の流した血を意味し、聖人の記念日に用いられます。
そのほか聖霊や火を表すこともあります。聖霊が火のように降った聖霊降臨日(ペンテコステ)にも赤が用いられます。



ハトが描かれています - ハトは聖霊の象徴です -

栄光、復活、喜びなどを表すものとされています。
クリスマス、イースター、結婚式に用いられます。また、12月2日のウィリアムズ主教の記念日にも白が用いられます。 (ウィリアムズ主教は殉教ではないため、赤(血の色)ではなく栄光の「白」)



12月2日のウィリアムズ主教の記念礼拝

降臨節(アドベント)と四旬節(レント)に用いられます。
アドベントはクリスマス前の4週間、レントはイースター前の6週間程の準備期間です。
白の季節を迎える心の準備のため、自分自身を省みる、自分の足もとを見つめなおすなど、克己の期間とし、 レントでは、タバコをやめる、甘いものをやめるなど自分に制限を加えて過ごし、忘れていたことを思い出す、 気がつかなかったことに気づく、見えなかったものを見るなど心を整えていく期間とされます。



クリスマスまでの4週間、紫の掛布がかかっています

悲しみの色です。昔はお葬式のときに用いられていましたが、肉体の死は暗闇ではなく、苦しみや終わりがあるのではないという 考えから、30年くらい前からほとんど使われていません。地上の命を完結した喜び、そして復活の命のイメージから白を用いているそうです。



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