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立教うんちく話

第49回『立教大学の時計塔』

立教大学のシンボルとも言えるモリス館の中央に鎮座する時計塔、その時計が手巻きであることは広く知られています。
築地から池袋に移転した大正期から多くの学生たちを見守り続けてきたこの時計は、イギリスのE・デント社製のもので、動力には分銅(重り)を用いています。 これと同じ型式のものは東京では立教大学に残るのみで、大変重要な文化財となっています。
時計の文字板は直径90センチ、塔の北面と南面の両方に文字盤が取り付けられ、その間を親時計から10メートルの主軸が通っていて、傘歯車の伝動で両方の針が動く仕掛になっています。

当初塔の時計は3階の上の壁面に設置されたといいますが、現在は2階の上部の壁面に取り付けられています。
これは関東大震災で塔の本館3階部分が崩れ、2階に切りつめられたためです。
なお、この震災によって、本来一週間巻であった時計が、改修し設置場所が低くなったために、それ以来時刻装置の分銅は5日巻になったそうです。

ところでみなさまは、ツタが生い茂るモリス館にある時計が、よくツタにからまれて見えなくならないものだと思ったことはありませんか?
これは、鎌を取りつけた道具を使い、屋上から身を乗り出してツタを取り除いているからだそうです。
春から夏に掛けて、ツタが良く伸びる季節には気をつけていないとツタが針に絡みつき、動きを止めてしまうということです。

このように手の掛かる時計塔は、電気時計に交換してはどうかという話もかつては持ち上がったということですが、修理を重ね今日に至っています。
立教大学のシンボルである時計は、時計を愛する多くの人々の手によって今日もその動きを続けているのです。


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