立教うんちく話
第46回 立教大学と旧江戸川乱歩邸
みなさまは、立教大学6号館北側に位置する旧江戸川乱歩邸を訪れたことはありますか?
2002年、かの有名な推理小説家江戸川乱歩の邸宅と、書庫として使われていた「幻影城」と呼ばれる土蔵が立教大学に譲渡されました。
乱歩が立教大学に隣接する住宅に移り住んだのは1934年、乱歩がまもなく40歳を迎えようとしていたときのことでした。
それまで46回も引越しを繰り返していた乱歩は、以後はこの地を気に入り、1965年に亡くなるまでここを移ることはなかったということです。
当時乱歩の家の周辺には原っぱや田畑が多くあり、現在の池袋とは違い静かな土地であったようです。
建物と同時に立教大学に譲渡されたものの中には、乱歩の4万点近くの蔵書・資料も含まれており、それらの目録作成、整理がすすめられています。
乱歩は推理小説家として有名ですが、近世資料の収集家としての側面も持っています。
その中でも特に目を引くのが井原西鶴の作品群です。
乱歩が戦後すぐの昭和24年から20年ほどかけて集めた『好色一代男』(天和二年)や『日本永代蔵』(享保五年)などの井原西鶴のコレクションは桐の箱に納められ、乱歩の几帳面さが表れています。
新緑のまぶしい5月、みなさまもお散歩がてら推理小説を片手に旧江戸川乱歩邸を訪れてみるのはいかがでしょうか。
現在、旧江戸川乱歩邸の公開が、立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センターにて行われています。
開館時間等につきましては下記のアドレスをご覧ください。