立教うんちく話
第15回 「図書館-MATHER LIBRARY-」
美しいレンガ造りの図書館旧館
立教大学が築地より池袋にキャンパスを移して90年近く、大学の発展とともにキャンパスを構成する校舎群も大きく様変わりしましたが、本館・図書館旧館・チャペルを中心としたレンガ校舎群は、移転当時のたたずまいを残しています。
そのひとつ、図書館旧館は、米国聖公会の総会代議員として長年外国伝道を後援してきたサミュエル・リビングストン・メーザー(Samuel Livingston Mather)氏を記念し、その子息、サミュエル・メーザー(Samuel Mather)氏からの寄付によって建てられたものでした。
正門を抜けた先の中庭に面した入口上部に設置された「MATHER LIBRARY」というプレートが、かろうじてその来歴を伝えていますが、この前を通る人もあまりなく、また、季節によってはツタで覆われてしまうこともあり、気づく機会も少ないかもしれません。
1923年の関東大震災によって大きなダメージを受け、大掛かりな修復工事が施されましたが、それもまた、サミュエル・メーザー氏の寄付によってなされたものでした。
修復を終えた1925年の4・5月頃、多額の支援を惜しまなかったメーザー氏その人が、新装された図書館を視察するため、池袋を訪れています。
このことを報じた当時の「立教大学新聞」(1925/5/15発行)に掲載された写真には、震災前にはなかった、「MATHER LIBRARY」のプレートを確認することができます。
氏への感謝の意をこめて掲げられたものと思われます。
美しいレンガ校舎群は、多くの人々の立教を支える熱い想いを受け継ぎ、その姿をとどめ続けるのでしょう。
ちなみに、図書館池袋本館は、年間264,220人、一日平均847人の入館者数を誇っています。
(2004年度/「立教大学図書館年報2004/2005」)
この季節はツタに覆われて…
図書館本館へ
…学生が行き交う…
図書館本館入口