立教うんちく話
第11回 「立教の映画人」
立教大学には、現在のところ、映画学科も映像研究科もありませんが、現代の日本映画界をリードする映画監督を数多く輩出しています。
周防正行、青山真治、黒澤清・・・彼らの多彩な活動の原点として挙げられるのが、かつて本学で開講されていた蓮實重彦教授の『映画表現論』。
映画評論家としても知られる蓮實先生は、1968年から10年以上にわたり本学の教壇に立たれていました。
以下に当時のシラバスの抜粋をご紹介します。
- -世界の映画・日本の映画-
- 国籍や製作年度、ジャンル等にとらわれずあらゆる種類の映画を現在の体験としてとらえながら、「フィルム体験」とは何かを考える。
教室で指定する作品を必ず見ること、そして1年に最低百本の映画を見る潜在的可能性を自覚すること、それがこの授業に出席しえる条件である。(1982年度の一般教育課程履修要項より)
当時出席していた方々は、異口同音に「教室にはいつも学生が溢れかえるほどであった」とおっしゃいます。
本学から錚々たる映画人を輩出した背景には、蓮實先生の貴重な講義があったと言えましょう。
2006年4月、武蔵野新座キャンパスに現代心理学部・映像身体学科の開設が予定されています。
未来に語り継がれる作品を生み出す映画人、クリエイターのさらなる誕生を期待しましょう。