Alumni Special Interview
頑張る学生に注目!「校友会奨学金」「校友会外国人留学生奨学金」授与者インタビュー
校友会では、「校友会奨学金」「校友会外国人留学生奨学金」の授与を通じて、頑張る学生たちを支援しています。2019年度に奨学生に選ばれた学生にどのような学生生活を送っているのか、奨学金をどのように活用しているのかを伺いました。
校友会奨学金授与 理学部生命理学科4年 松村佳奈(マツムラカナ)さん
松村さんが生命現象に興味をもったきっかけを教えてください。
小さい時から、「人間ってなんだろう」ということに興味をもっていて、中学生くらいまでは心理学を勉強したいと思っていました。しかし、高校生になって受けた生物の授業をきっかけに「どうやって人間がつくられているのだろう」という疑問を抱くようになりました。そしてその疑問を追求しようと、理系の学部に進学することを決めました。目に見えないものが実験で明らかになっていくことがとても面白いのです。今は、「免疫」に興味を持っていて、後藤聡先生の研究室に所属し、神経細胞に関する研究をしています。
生命現象が学べる学部が色々ある中で、立教を選んだ理由は?
まず、理学部と理工学部の選択を考えたとき、より基礎的な研究ができる「理学部」に進みたいと考えました。応用研究は企業の研究職に就けばできるだろうということから、学部では純粋に疑問に思ったことを追求したいと思ったのです。また、私は小学校5年生までをアメリカで過ごし、中学・高校も帰国子女や外国人が多くいる学校を選びました。そのため、どの学部でも英語に触れる機会を多く作れることも立教を選択した理由です。大学では得意の英語を活かして、英語のスピーチコンテストである「大柴杯スピーチコンテスト」にも挑戦しました。ただ英語力を問うのではなく、スピーチの内容が重要となります。「貧困と医療」というテーマで話をしましたが、このコンテストをきっかけに経済格差が医療格差につながっている現状を調べ、格差是正のためには何ができるのかを訴えました。その結果、最優秀賞をいただくことができました。また、留学生の入寮サポートをしたり、英語で受ける授業を履修したりと、英語を使う機会を多く設けることができました。
立教での学生生活はいかがでしたか?
やはり、実験や研究に費やす時間が多かったので、そういったことが一番思い出深いですね。実験で上手く結果が出ずに、遅くまで居残りをしたことも今となっては良い思い出です。先生方も非常に親身になってくださって、実験の居残りにも辛抱強く付き合ってくれました。他大学の友人に話を聞くと、学部生は研究室の教授と話す機会が全くない大学もあるようですが、先生方との距離の近さも立教の良さだと感じています。後藤先生も「あの実験どうだった?」といつも気にかけてくださり、また、学部生一人ひとりの研究を丁寧に指導してくださいます。
これからの目標を教えてください。
学部卒業後は大学院に進学したいと考えているので、今はその勉強と研究に励む毎日です。1・2年生は研究を行うための基盤づくりだったので、私の研究はこれからが本番です。悔いのない卒業研究ができるよう、研究室のメンバーと励ましあいながら頑張ります。
校友会外国人留学生奨学金授与 社会学部社会学科4年 邵葛(ショウ カツ)さん
日本に留学したきっけかは?
中学生のときに、日本のアニメ「エヴァンゲリオン」を好きになり、ずっと見ているうちに徐々に日本語が聞き取れるようになりました。高校生で本格的に日本語の勉強を始め、日本に留学することを決意しました。1年半日本語学校に通った後、大学を受験したのですが、最初は、世の中で起きる問題は全て経済学で解決できると考え、経済学を学びたいと思っていました。でも、受験の頃にイエール大学の先生が講義する社会学の動画をたまたま見て、社会学の幅広さに惹かれ、社会学科を選びました。
社会学科ではどのような勉強をしていますか?
今、野呂芳明先生のゼミに入っています。2年生のときに野呂先生の講義を履修したのですが、単なる知識だけでなく先生の今までの経験なども含めたお話で、私がこれまで受けてきた授業の中で1番面白いと衝撃を受けたのです。野呂先生は今も熱心に指導してくださって、このように思える先生に出会えたことが、まず立教に入ってよかった点ですね。卒業論文は在日留学生をテーマに書きたいと考えています。例えば、日本に来た理由や、日本語学校のこと、就職のことなどです。現在の日本の就職の仕組みでは、日本的なコミュニケーション能力求められることが多く、日本語が母語でない外国人留学生にとって日本で働くことは非常に高い壁があるのです。そういったことを取り上げたいと思っています。
授業以外ではどのような生活を送っていますか?
中国にいるときにボディビルをやっていて、今も大学のジムを活用してトレーニングをしています。そのつながりで、栄養学の授業を履修しました。同じ栄養学でも、先生によって視点が異なることを知った時は面白かったですね。節約にもなるので日本に来てから自炊もするようになりました。栄養学の授業で得た知識を参考に、バランスよく食べることなどを考えて料理をしています。
日本に留学をしていかがですか?
日本に留学したからこそ思うのは、このままでは日本の大学はグローバル化から取り残されてしまうのではないかという危機感です。まだまだ日本の大学は閉じているなと。その理由の一つとして、留学しにくいシステムがあげられます。例えば、欧米では大学に入る前に附属の語学学校で言語を学び、そこでしっかり勉強すれば大学に入学できるという仕組みがあります。日本は、それぞれが日本語学校で日本語と受験の対策を学びますが、必ずしも大学に入れるとは限りません。このような不確実性が高い現状は、留学希望者が日本を選ばないという大きな理由になってしまうと思うのです。特に優秀な人材ほど他の国、特にアメリカを選択してしまうのではないでしょうか。これから日本に留学したいと思う学生のためにも、ぜひ留学しやすい仕組みを作っていってほしいと願っています
立教大学を留学先に選んでいかがでしたか?
先ほど野呂先生のお話をしましたが、他にも、熱心に指導してくださる方に大勢出会いました。立教大学には勉強しようという意欲さえあれば、いくらでもサポートしてくださる先生方や環境が整っていると感じます。また、返還不要の奨学金が豊富にあるのも、本当にありがたく思っています。おかげで、今私は思いきり勉強することができています。残りの学生生活も論文を書き上げるべく、一生懸命頑張りたいと思います。