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特別座談会

舞台の裏側にもドラマがある!

スポーツに情熱をかける立教生たち

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立教大学には、各種目で活躍中のアスリートたちが所属する51 部56 団体が存在します。今号では、その中でも注目の3 名の女子学生にスポットを当てた特集座談会を実施。世界で、日本で活躍する彼女たちの現在に至るまで、スポーツへの熱い思い、今後の展望などを語っていただきました。

三者三様のスポーツとの関わりと入学に至る道筋

司会:本日は体育会を支える女性アスリート、応援団長のお三方にお話を聞けてうれしい限りです。競技を始めたきっかけや、現在に至るまでの経緯を教えてください。
野明:両親共にスピードスケートの元選手•コーチで3歳から氷に親しんできましたが、小学校時代は水泳教室にも週5日間通う生活でした。本格的に競技に取り組むようになったのは、 小学6年生からです。中学校までは母の運営する地元の小•中学生のクラブチームで活動していました。高校時代は強豪校のスケート部に所属し、教員兼監督を務めていた父の指導の下、友人たちと切磋琢磨する日々でした。スケート部がある大学はいくつかありますが、その中で立教大学を進学先に選んだのは、スポーツを専門的に学べる環境(スポーツウエルネス学部)があったからです。身体面や栄養面、メンタル面などに深い関わりのある学びに触れられ、現在はトレーナーになる課程も履修するなど充実した日々を送っています。望月:私も今の道に進んだのは親の影響が大きかったです。母が立教大学の応援団チアリーディング部OGでした。幼い頃からよく大学の話を聞いていて、憧れをもって「私も選手を励まし、観客を楽しませるようなパフォーマンスがしたい。進学するなら絶対に立教!」と考えるようになりました。無事に入学を果たし、現在に至ります。
小川:私も両親が競技関係者だったのですが「好きなことをやりなさい」という家庭だったので、幼い頃から特別な指導を受けていたわけではありませんでした。陸上を始めたのは中学時代からです。最初は仲の良い友人が多いという理由で陸上部に入部したのですが、いつしか競技にのめり込んでいき、大きな大会にも出場するようになりました。当時から今まで、仲間には恵まれてきたと思います。特に高校から大学まで部活動でお世話になってきた道下美槻先輩(令6メ)は、アスリートとしても人としても尊敬できる方で、大学卒業された今も親交があります。実は立教大学に進学しようと思ったのも、道下先輩が陸上部の雰囲気や練習内容を教えてくださり、活動のイメージを描きやすかったからです。一度練習にも参加し、和気あいあいとしながらも競技中は真剣な面持ちの部員たちの姿を見て入部への思いがさらに募りました。その後、アスリート選抜入試で入学して今があります。

印象に残る舞台とその裏側に秘めた思い

司会:これまでの活動で最も印象深かった出来事について教えていただけますか。
野明:何と言っても2024ISU世界ジュニアスピードスケート選手権大会で3000m2位、パシュートで優勝と、好成績を収めたことです。一人でコツコツと練習をこなし、徹底した体重管理を行うのは本当に大変でした。そうした日々の努力が報われてうれしく思います。あの時は良い滑りができました。特に3000mでは周囲に惑わされることなく、ひたすらタイムだけを追えました。「あと何周!」などの雑念もなかったと思います。緊張はしていましたが「ここまで来たらベストを尽くすしかない」という心境でした。それから、観客席に家族や友人、地元の小・中高生の姿が見えて勇気づけられたことも、良い結果につながったのだと感じます。地元で家族や友人に支えられていた頃が懐かしくなり、改めて感謝の念を覚えました。ジュニア最後の大会は、本当に忘れられないものとなりました。

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今年1月のインカレで3000mの種目を力走する野明さん
小川:2024世界大学クロスカントリー選手権大会で世界の選手たちと渡り合えたことです。海外には大学に入らずに実業団でバリバリ鍛えている選手も多いのですが、その中で3位と好成績を収められた喜びはひとしおでした。インカレでも4位を記録。昨年の関東大学女子駅伝(第29回関東大学女子駅伝対校選手権大会)も思い出深いです。11人をゴボウ抜きし、区間新記録を樹立できたのがこの大会でした。「とにかく前へ!」という必死の思いが、結果につながったのだと感じます。
望月:コロナ禍が明けての東京六大学野球春期リーグ戦です。今でこそ3部総勢100名という従来の規模感に戻ったのですが、入団当初はチアリーディング部の中でしか活動できていませんでした。先行きの見えない状況ではありましたが、自ら立候補した団長に任命された際には、100年近くも続く伝統ある応援団を絶やすまいと、団員たちと共に練習に励みました。リーグ戦が始まり、観客席が埋まっている様子を見た時には本当に感無量でした。それまでは誰もいない外野席でパフォーマンスしていたのが、選手に近い距離で観客の方々と一体になって応援できるようになった喜びは、言葉に尽くせません。

スポーツへの情熱を宿し今後もさらなる飛躍を

司会:今後の展望、読者へのメッセージがあればお聞かせください。
望月:現在はさまざまなイベント等への参加と並行し、12月にタッカーホールで開催される団 祭「十字の下に」で最大限のパフォーマンスができるように日頃から練習に励んでいます。社会人になっても応援団で培った精 神力、体力を生かし、何事にも前向きに臨んでいきたいです。また、皆さまにお伝えしたいのは、体育会の試合観戦ではぜひ応援団にも注目していただきたいということです。野球のように攻守が決まっている場合、アメリカンフットボールやラクロスのように頻繁に攻守が入れ替わる場合で、応援方法やダンスが変わります。ボクシングのような個人戦の場合、選手の名前をコールすることもあります。戦局によってもパフォーマンスを変えていますので、試合の際にはぜひご覧ください。

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東京六大学野球の試合でエール交換する望月さん
小川:これからどんどん世界に打って出たいです。最近、立教大学の卒業生で陸上部の元コー チである岡田久美子選手(競歩)がパリ五輪代表になりましたが、これには大きく励まされました。私もいつかはと、五輪出場を目指しています。同時に駅伝チームの一員としても、大好きな仲間と、しっかり結果を残していこうという気持ちがあります。先輩たちの姿を目標に私もまた誰かの憧れとなれたらうれしいです。私の仕事は「走りでチームをリードする」こと。後輩たちを杜の都駅伝(全日本大学女子駅伝対校選手権大会)などの大舞台に連れていってあげたいです。そして応援してくださる皆さまには「感謝は走りで返す」といつも思っています。
野明:私も五輪出場は視野に入れています。実は、全日本のパシュートの強化プロジェクトに 参加する機会をいただけたのですが、髙木美帆さんや佐藤綾乃さんといった錚々たる選手の方々と練習でご一緒し、刺激を受けました。改めてそうした方々と肩を並べられる存在になりたいと感じています。今後は一段階上のステージで、より強い選手たちと戦うことになります。その中でもきちんと結果を残したい。加えて、私の姿を見て少しでも多くの方がスピードスケートに興味を持ってくださったら、こんなにうれしいことはありません。国内のトップレベルを目指します。皆さまの声援が力になるので、今後もぜひ応援していただけるとうれしいです。
取材協力&町田香子(昭55法)

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2024世界大学クロスカントリー選手権大会表彰の様子(右が小川さん)

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